SGクラスに所属する小野花玲さんが、2024年夏から1年間、アメリカ・カリフォルニア州での留学を経験しました。帰国後、現地での生活や学校、部活動、そして苦労や達成感について語ってくれました。これから留学を考えている皆さんにとって、リアルな体験談として大きなヒントになるはずです。以下、小野さんの報告をご紹介します。
こんにちは。2024年夏からアメリカ・カリフォルニア州に一年間留学をしていた小野です。
留学のきっかけ
まず私が留学を決めた理由は主に3つありました。英語力を伸ばすこと、自分の進路を見つけること、そして親元を離れて精神的に自立することです。高校3年生になっても自分が何をしたいのか分からず、日本の大学にもあまり興味がありませんでした。そんな時、「全く違う環境に飛び込んで自分の興味のあることを見つけたい」と思ったのが、留学を決めたきっかけでした。
滞在先での暮らし
滞在したのは、カリフォルニア州のエルドラルドヒルズという町で、首都サクラメントの近くにあります。皆さんが想像されるようなカリフォルニアのビーチや都会の風景とは違い、自然に囲まれた静かな地域で、私の地元にも少し似た雰囲気でした。ホストファミリーであるHayden Familyがとても温かく迎えてくれて、特に同い年のホストシスターとは学校の送り迎えや共通の趣味である日本語を通して、実の姉妹のような関係を築くことができました。

帰りの空港ではファミリー全員で号泣しました
学校生活について
現地で通ったのはOak Ridge High Schoolという公立高校で、生徒数は2000人を超えます。私はアート、数学、日本語、経済・政治、英語などの授業を履修しました。中でも印象に残っているのは、日本語の授業でティーチャーアシスタント(TA)をさせていただいたことです。授業のサポートやテスト作成、文化紹介など、とても貴重な経験ができました。ジブリ映画が大好きなMs. Madsen先生ともすぐに打ち解け、日本についてたくさん話しました。学校ではプロムや卒業パレード、ディズニーランドへの卒業旅行など、映画で見るようなイベントにも参加することができました。どれもアメリカらしさを感じられる、特別な思い出です。
はじめての部活動
部活では、競技スキーのアルペンチームに入部しました。競技スキーの経験はなかったので、1からの挑戦でした。最初は技術も英語も分からず悩んでいましたが、コーチSteveが日本に滞在していた経験を持っていて、私の心の支えとなってくれました。彼のマインドセットやフィジカルトレーニングについてのアドバイスを聞きながら努力を続けた結果、最終的に1軍チームの5番ゼッケンとして大会に出場し、自分の成長を実感することができました。

大会の実際の写真
筑坂との交流プロジェクト
現地では、本校のSGクラスと日本語クラスとのオンライン交流会も企画・実施しました。授業で学んでいる言語を実際に使って交流することが、生徒たちのモチベーションにもつながっているようで、アンケートでも好評でした。あわせて文通プログラムも実施し、言語や文化への理解を深めるきっかけになったのが嬉しかったです。
アメリカでの生活で特に苦労したのは「言語」と「人間関係」
まず英語力についてですが、渡米前はある程度の自信があったものの、実際の授業スピードや日常会話の速さに全くついていけず、最初は授業後に悔しくて涙を流すこともありました。特に現地の最終学年と同じクラスを受けるのは大変で、エッセイや読書課題に苦戦しました。ですが、毎回の予習復習や先生との会話を大切にしたことで徐々に慣れ、最終的には全科目でAを取ることができました。次に人間関係ですが、言いたいことが英語でうまく伝えられず、誤解されてしまうこともありました。アメリカでは何かあれば「話し合う」文化が根づいており、対話の大切さを学びました。戸惑うことも多かったですが、ホストファミリーの支えもあって乗り越えることができました。

ホストファミリーとサンディエゴ
目標の達成
英語力は、現地の授業についていけるレベルまで伸び、読書やディスカッションも問題なくこなせるようになりました。そして、進路についてはコーチや先生のアドバイスを基に海外大学への進学も視野に入れて考えることが出来ました。また、ホストファミリーからは食事や家事はすべて自分でやる必要があると言われていたので、家事や生活の管理など自分で責任を持つ力も身についたと思います。

おじいちゃんの車に乗る私
留学に行く前といった後のギャップ
私は留学前、オリエンテーションで「楽しい」「すぐ慣れる」といったポジティブな話をたくさん聞き、理想的なイメージを抱いていました。筑坂で英語に触れる機会も多かったため、自分の英語力にも少し過信していたと思います。しかし実際に現地に行くと、最初は授業にもついていけず、友人も少なく、想像以上に大変でした。特に辛かったのは、会話がうまく理解できず、話の輪に入れず愛想笑いをしてしまう時でした。そんな中、親友Eとの出会いが転機となりました。彼女は私の拙い英語も最後まで聞いてくれ、自信を持つきっかけをくれました。そこから少しずつ他の友人もでき、毎日「新しい誰かに話しかける」という小さな挑戦を続けることで、6か月後には理想だった留学生活を楽しめるようになっていました。
これから留学を考えている人へ
英語が得意でも、海外経験があっても、留学は簡単ではありません。正直私自身、辛かったことの方が楽しかったことよりも多かったかもしれません。ですがそれを乗り越えることで得られる経験や人との出会いは、一生の宝物になると思います。大切なのは、自分の言葉や考えに自信を持って発言すること。そして、どんな時でも自分を信じて突き進むことだと思います。英語力に不安がある人も、出発前にできる準備をしっかりしておけば大丈夫です。英語力よりも大事なのは恐れずに挑戦してみることです。
最後に
この1年間、たくさんの人に支えられて、私はさまざまな経験から本当に多くのことを学び、成長することができました。改めて筑坂の先生方、家族、現地で出会った友人やホストファミリーのみなさん、本当にありがとうございました。
Thank you so much for everything Paul, Jamie, Yazzie, Xavier, Grandpa, Adina, Ecrin, Ms. Madsen, Mayhem, all the people I met in America. I hope we can meet again at some point!
ホストファミリーの犬
