スーパーグローバルハイスクール(SGH)

平成26年度より、文部科学省「スーパーグローバルハイスクール」に関する研究開発指定を受け、国際的に活躍できるグローバル・リーダーを育成するため、国内外の大学や企業、国際機関等との連携による質の高い教育課程等の開発・実践を行うこととなった。

(1)主旨

急速にグローバル化が加速する現状を踏まえ,社会課題に対する関心と深い教養に加え,コミュニケーション能力,問題解決力等の国際的素養を身に付け、将来、国際的に活躍できるグローバル・リーダーを高等学校段階から育成する。

(2)本校の研究開発の概要

研究開発課題名:

先進的な総合学科を活かした持続可能なアセアン社会を創るグローバル人材の育成

研究開発の概要:全生徒に対する地球市民性醸成プログラムの開発と、アセアン諸国と連 携した2年間に及ぶ課題研究プログラムの開発(2年次のインドネシアにおける3週間フィールドワークおよび3年次の筑波大学における英語論文指導およびゼミ指導)を行う。また、コミュニケーション能力向上のための英語+1か国語マスタープログラム(インドネシア語 講座)も実施する。

(3)平成29年度の計画

5年計画の第4年次は、本格実施検証段階と位置づけ、グローバル入試で入学してきた生徒と通常入試の生徒のシナジー効果を逐次検証しながら、各開発単位の効果検証とさらなる改善を行っていく。第4年次の重点項目は

  • 1) 各開発単位の検証
  • 2) 筑波大学をはじめ高大接続に関する諸課題の検討

である。

1)に関しては、これまでも筑波大学附属学校教育局が開発した質問紙によるアンケートにより量的な調査を、生徒への個別インタビューにより質的調査を行って来た。29年度はSGH事業で新しく導入したSG入試で入学してきた生徒が3年生になり、1年生から3年生まですべての学年にSGクラスの生徒が揃う。各開発単位ごとに、SG入試による生徒および通常の入試で入学して来た生徒の比較を行いながら検証を行っていく。

SGHの開発単位は、

  • a) SG卒研(卒業研究合宿、国際特別演習)
  • b) グローバル入試(校内名称:SG入試)生徒と通常入試生徒の相互関係の調査
  • c) 専門科目の国際的な視点からの授業の実施
  • d) インドネシアにおける国際フィールドワーク
  • e) インドネシア語講座
  • f) 高校生国際ESDシンポジウム・全国SGH校生徒成果発表会
  • g) グローバルライフ
  • h) 1年次カナダ校外学習
  • i) 2年次T-GAP

である。また、課題研究活動とリンクさせた英語活動の検証および成果としての英検合格者の増加も目指す。

a)のSG卒研は3年生を対象に、1,2年生での学習成果をもとに、各個人が国際的な課題をテーマ設定し、研究所や企業、大学との連携のなかで研究活動を行い、最終的には課題研究の成果をいかした進学が叶うようにプログラム開発を進めている。本年度は、SGクラスの生徒が3年生になる。これまでの2年間の活動がどのような影響を与えているか注視していく。

b)SG入試は、本年度4回目を迎える。本校は、国際バカロレア(IB)の認定校になった。平成30年度入試からIB生の入試もはじめる。SG入試の枠のなかでIBの生徒も入試を行う予定である。SG生、IG生(通常の総合学科)、IB生の募集を行うことになる。それぞれの良さをいかしながら、持続可能な入試制度の開発を目指す。

c)に関しては、他のSGH校と本校が差別化を図ることができる重要な課題項目である。世界的な課題に取り組む際に、生徒が語学力だけではなく、世界とどのように向き合い、どのような課題に取り組んでいくか実践的な力や見方を育成できる取り組みである。昨年度から専門教科を中心に授業で実践を行っている。本年は、それぞれの課題をまとめながら改善を行っていく。

d)の「国際フィールドワーク」は、4年目に入る。昨年度、はじめて3校合同合宿のかたちで、最終形に近づいて来た。本年度は、新たに、インドネシア政府、駐日インドネシア大使館、現地企業そしてインドネシアで活動を行っている他のSGH校と連携し、「第1回日本インドネシア高校生ESDシンポジウム」をジャカルタで開催することを計画している。SGHでできたネットワークを5年間の指定期間後も継続させていけるような取り組みを29年度から実施していきたい。
フィールドワークは、29年度も異学年のチーム編成で、前年度の成果を継続させつつ、高大接続も視野に入れた取り組みとしたい。フィールドワークのサイトは、これまで同様とし、ジャカルタ、ボゴール、チアンジュールに2~3週間渡航する。インドネシア側からは、ボゴール農科大学附属コルニタ高等学校、インドネシア政府環境林業省附属高等学校の生徒が引き続き参加する。3校の参加生徒は「教育班」「環境班」「地域開発班」の3つに分け昨年の実績をもとに活動を行う。各チームは日イの生徒の混成とする。

e)の「インドネシア語」は平成27年度から開講できた。28年度は、国際フィールドワークの事前学習、ESDシンポジウム、インドネシア語検定の実施時期と連動したカリキュラム編成を図った。現在、立教大学のインドネシア人留学生との連携もはじまっている。この連携を拡充し、カリキュラムの改善を図る。

研究交流の核であるf)の「高校生国際ESDシンポジウム」は、平成29年度で第6回目を迎える。平成27年度から新たなチャレンジとして「全国SGH校生徒成果発表会」を主催し、全国のSGH校に参加を募り課題研究の成果共有の場を提供した。28年度は参加校が国内外から40校と、27年度から倍増した。29年度も、各学校が集いやすい東京(筑波大学東京キャンパス)を会場に、11月9日に開催を予定している。

g)の「グローバルライフ」は、28年度から家庭科教員だけではなく他教科の教員や外部の人材も授業を実施した。1年生の学年末の振り返り作文では、グローバルライフの影響と思われる記載が多数見られた。本年度も、生徒への影響を検証しながら授業改善を行っていく。

h)の「1年次海外校外学習」は、平成28年3月に第1回目を実施し、160人全員が参加するプログラムに加えて、選択制による課題研究活動を取り入れた。第2回目となる平成29年3月の渡航も同じ枠組みで実施する予定である。2年間の実績をふまえ、29年度も1年次とSGH推進委員会が連携して実施する。

i)の「2年次T-GAP」は、平成27年度から試行している。アセアンを中心に、生徒全員がグローバルな課題の研究活動を行う授業である。平成28年度は毎週土曜日に実施した。平成29年度も、筑波大学の世界展開力強化事業(AIMS:ASEAN International Mobility for Students)とタイアップして進める。
とくに、アセアン各国から来日している留学生を高校に招聘し、留学生からは課題研究に関する指導をうけ、高校生は留学生を川越市(小江戸と呼ばれる伝統都市)に案内し、英語の実践的な運用力を高めるとともに、自国文化の理解と再発見につなげる。

2)の筑波大学との高大接続入試に関しては、筑波大学全体の入試改革がはじまり、これまでの学類別(学部別)入試から、「人文社会」「理工」「生命科学」による3分野の枠入試になる大きな変革が実施されることとなった。これにともない高大接続に関しても新しい大学の形にあわせて検討する必要がでている。筑波大学はG30やAIMSプログラムで海外からの留学生も多く入学している。SGH国際フィールドワークに参加した生徒のなかに、筑波大学に学士入学した海外の生徒もでてきている。また、本校の生徒も国際フィールドワークに参加した生徒が筑波大学国際総合学類に入学し、高校時代に同時期にSGHに関わった生徒が同じ大学で学んでいる状況もでてきた。また、高校卒業後、そのまま海外の大学に進学することを希望する生徒もでてきている。これらを踏まえ、筑波大学と附属高校という高大接続の枠にとらわれず、国際連携協定を結んでいる海外の高校や大学も含めた高大接続のありかたを筑波大学の教授でもある校長が中心となりワーキンググループを立ち上げ検討していく。

全体の評価は、管理機関である筑波大学附属学校教育局と連携し28年度と同様に継続的に行う。SGH第1年次、第2年次、活動にかかわった卒業生の追跡アンケートも行う。校内の運営体制は、管理職のリーダーシップのもと、平成27年度から全職員がかかわる形にした。平成27年度のフィードバックも得ながらよりよい体制を作って行く。